1.犬にチョコレートは危険なのか
1-1.中毒症状を起こすチョコレートも、小量なら様子観察で大丈夫
犬に食べさせると中毒症状を起こさせる食べ物はたくさんありますが、その中でも有名なのが「チョコレート」です。チョコレートに含まれる「テオブロミン」という成分が中すい神経を刺激する毒素となるのです。とは言いましても、ひとかけら程度ならそれほど影響はないので、念のため水をたくさん飲ませると良いでしょう。その他に、犬がチョコレートを食べてしまった場合の応急処置として、塩を食べさせて吐かせる、オキシドールを1~5mm程度飲ませて吐かせるといった方法がありますが、いずれも動物病院に連絡し、相談した上で行うようにしましょう。
ちなみに、チョコレートを食べてしまった場合に起こりうる症状としては、嘔吐、下痢、興奮状態、不整脈、痙攣、多尿あるいは血尿などがあり、酷い場合はこん睡状態から死に至ることもあります。
中毒症状を起こさせる量としては、小型犬は50g(板チョコ1枚)、中型犬なら400g(板チョコ7枚)程度に値し、一般的に食べてから6~12時間程度で症状が現れ、24時間は中毒が起こる可能性があると考えられています。
飼い主さんはこうした基本的な知識を頭に入れておくことで、万が一という時に適切な対応が出来るようになりますので、覚えておくようにしましょう。愛犬の普段の様子をしっかり把握しておくことで、異変や急変に気付きやすくもなれますから、日ごろからスキンシップを図り、愛犬の状態を理解しておくことが大切です。
(【参考記事】→ 【知っておきたい!】犬が中毒を起こす食べ物は?)
1-2.さいごに
このように、チョコレートはごく小量ならさほど害になるものではありませんし、すぐに命に関わるというものでもありません。ですが、中毒症状を起こさせる可能性があることは間違いありませんし、糖分が多く含まれているチョコレートは肥満の原因にもなります。食べさせないに越したことはないでしょう。
気をつけて頂きたいのが、「犬のつまみ食い」です。知らないうちに食べていた!ということがあってはいけませんから、チョコレートを始めとする人間の食べ物は、戸棚の中にしまったり犬が届かないところに保管するなどして、犬が勝手に食べてしまわないように工夫することが大切です。
人間の食べ物は犬にとってはある意味「魅力のある食べ物」です。飼い主さんがおいしそうに食べている姿を見て、興味を抱いている場合が少なくありません。ですが、いくら自分の犬がかわいいからといって同じものをむやみに与えるのはいけません。犬の健康を守り、長生きしてもらうために、食事の管理というものが非常に重要なポイントなのだということをきちんと理解しておきましょう。犬には犬の食べ物を与えるということを大前提とし、チョコレートやその他の中毒症状を起こさせる食べ物に関してはくれぐれも注意しながら管理するようにしてください。そして、万が一、といった場合には慌てず冷静な対応が出来るよう、心がけておくことも大切ですよ。