1.犬の腹痛、見逃さないで!
犬がお腹を痛そうにしている時は、「ご飯で何か悪い物を食べたのかな?」そんな考えがまず頭によぎりますね?ですがそれ以外にも、ある病気が原因の時があります。その病気は、特にシニア犬には命取りになる病気でもあるので、一緒にみていきましょう。
1-1.「膵炎」が腹痛の原因に!?
ある病気とは「膵炎」のことです。
膵炎の原因は、本来腸の中で分泌されることで活性化するはずの膵液が、膵臓の中で活性化してしまい、自らのたんぱく質を消化してしまう症状です。これが起きると、本来は分解しなくていいたんぱく質を分解してしまうので、炎症がおきるといわれています。
発症するための原因はいくつかあります。
- 高脂肪の食事を続けたことや、カロリーの高い物を食べすぎてしまったことによる肥満、急激な食事変化
- 高脂血症、毒物(殺虫剤など)の摂取
- 交通事故などの外傷や手術による膵臓の損傷、副腎皮質機能亢進症
など。
原因がかなり広いのでどの犬種にも可能性がある病気なのです。
【参考記事】
犬の膵炎時に与えていい食事とは?愛犬を元気にするために。
1-3.2つの膵炎の症状の違い
膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があります。
急性膵炎は突然激しい症状が出て発見も早いのですが、慢性膵炎は普通の下痢や嘔吐が長い間続くので、「様子を見よう」となって発見が遅れてしまうケースがとても多いです。
急性膵炎の場合
急性の場合の主な症状は、激しい腹痛、嘔吐、下痢、発熱で、食事を全く受けつけなくなります。
下痢は始めは黄色っぽい水のようなうんちですが、だんだんととてもひどい臭いの灰白色のうんちになって、さらにひどくなると血液が混ざるようになってきます。お腹がとても痛くなるのが特徴なので、身体を丸めてお腹をしきりに舐めたり噛んだりする仕草があったときは要注意です。さらに、お腹をなるべく冷たい地面につけるようにうつぶせになって、人が触ろうとするのをいやがります。
さらに症状が進むと、ショックによる血圧低下、低体温、脱水による虚脱、黄疸がみられるようになり、膵臓が壊死に繋がりますので、命の危険にもなります。
慢性膵炎の場合
一方で、慢性膵炎の場合は、他の消化器疾患と区別のつかない嘔吐や下痢、食欲不振が続き、脱水や体重減少が見られるようになります。さらに、長期化して膵臓が徐々に破壊されるとインシュリンが分泌できなくなり糖尿病に発展することもあります。
1-4.食事で考える
膵炎にならない為には普段の食事の見直しをするのが大切です。ワンちゃんに与える食事は脂肪を限りなく少なく摂るよう心がけることが大切。ですが、脂肪を全く摂らないのも身体に悪いので、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)を食事の中で しっかり摂るようにしましょう。ささみがおすすめの食材です。
フードを選ぶ際に、裏にある成分表をみて、脂溶性ビタミンが含まれているフードを選ぶと健康促進に効果があります。
【参考記事】
腸に優しい低脂肪ドッグフード選びで大切なこととは?
1-5.まとめ
犬の腹痛は犬自身が身体全体で表現するので発見は早いですが、命に関わる病気である可能性も高いです。これからの食事で変えていくことのできる部分ですので、今のフードの成分を見て改善できる部分は改善して、より健康になるように、飼い主さんが注視してあげてくださいね。
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