1、フィラリアってどんなもの?
1-1、フィラリアとは?
場所によって蚊のいる時期にずれがありますが大概は毎年5月から11月位までフィラリア薬の投与を行っていますよね。具体的にどういうものか分からない方もいるのではないでしょうか?そこでフィラリアというのはどのようなものなのかお伝えします。
まず「フィラリア」というのは寄生虫です。人体に寄生するものやいくつか種類はいますが犬のフィラリアとして知られるのは一般的に犬糸状虫です。犬糸状虫は成虫になるとオスで体長約17cm、メスで焼く28cmの細長い寄生虫です。日本では16種類の蚊によって媒介され他の犬などにうつります。
- 蚊がフィラリア症を発症した犬を刺します。
- その時に、健康な蚊の体に1mmにも満たないミクロフィラリアが侵入します。
- ミクロフィラリアは蚊の体内で少しずつ大きく成長し蚊の口吻へ移動し他の生物への感染の機会を待ちます。
- 健康な犬がその蚊に刺された際にフィラリアが犬の体内に侵入します。
- フィラリアは皮下組織や脂肪、筋肉などを移動しながら2,3か月かけて2cm程に成長します。
- やがて成虫になったフィラリアは心臓や肺動脈に寄生し、3,4か月後にまたミクロフィラリアを生みます。
これが繰り返されます。
フィラリア薬というのはこの流れの中で「5.」と「6.」の間で行います。フィラリア薬というのはノミやダニの予防薬と違って寄せ付けない薬ではありません。フィラリアが心臓や肺動脈などに寄生する前に殺滅する薬です。
上記のように蚊は「5.」のように2,3か月かけて成長し心臓などに寄生出来るのを待っています。その間に薬を投与して殺滅させるのです。ですので蚊の出始めの1か月後から蚊が居なくなった1か月後までフィラリア薬の投薬を行います。血管や心臓にまで入ってしまったフィラリアはフィラリア薬では効果は得られません。フィラリア薬を1ヶ月忘れてしまうだけで感染してしまうかもしれません。病院では薬と一緒にカレンダーに貼るフィラリア投薬のシールを貰えるところがほとんどだと思いますので、きちんと1ヶ月毎の投薬を行っていきましょう。
なお、毎年初めのフィラリア薬を貰う時には簡単な血液検査をする病院が殆どです。これは昨年分でフィラリアに感染していないかを調べる為です。血液中のミクロフィラリアやフィラリアの排泄したタンパク質などで寄生されていないかどうかを調べているのです。もし寄生されているのにフィラリア薬を投与してしまったら、血管内のフィラリアは死滅してしまい犬の体内でアレルギー反応が起こることがあるからです。
1-2、フィラリア症に感染してしまったら?
フィラリア症に感染してしまった場合は下記のような症状が出ます。
- 慢性的な咳
- 元気がない
- 運動が出来なくなる
- 散歩を嫌がる
- 腹水が溜まる
- 腫瘍臓器の機能不全
血液などから寄生が確認されたらレントゲンや心電図などを使ってどの臓器に寄生されているのかを確認します。その後は獣医師の判断で外科的手術で取り出す場合や犬の年齢や体力、寄生虫の数、などによって異なってきますが、完全に取り除く事は難しいと言われています。
まとめ、
毎年半年ほどお薬を投与するだけで寄生されることはありませんので必ず投薬を行いましょうね。