目次
1,犬の尻尾(しっぽ)が骨折したらどうする?
犬の尻尾(しっぽ)は犬種によって様々な形がありますが、どの犬も「尾骨(しっぽ)」が連なってできています。尻尾の付け根は敏感で、尾骨は先端に行くほどに細く小さくなっていきます。そのため、尻尾の先を強くぶつけたり踏まれたりすると骨折や脱臼を起こしてしまいます。特に小型犬のしっぽは骨折や脱臼を起こしやすいと言われています。日常のちょっとしたことでしっぽを骨折してしまう可能性もあります。今回は尻尾を骨折した場合の応急処置について一緒に見ていきましょう。
1-1.尻尾の役割
犬の尻尾の役割として代表的なものに「感情を表すこと」があります。しかし、尻尾には感情表現以外にも役割があります。
- 走っている時、カーブや方向転換をする場合に体のバランスをとる。
- ジャンプしたり泳いだりするときに「かじ」の役割をする
- 体を丸めて、尻尾で鼻先を覆うことで、冷たい空気を吸い込まないようにし、呼吸器を保護する。
尻尾には犬は自分の感情を表現するためだけでなく、体の一部としての役割もきちんと備えていることがわかります。
1-2.尻尾が骨折するのはどんなとき?
では実際にどんな場面で尻尾が骨折してしまうのでしょうか。
まずは骨折の種類から見ていきます。
~骨折の種類~
- 疲労骨折:骨に繰り返し弱い力が加わることで起こります。
- 亀裂骨折:骨にひびが入った状態をいいます。
- 剥離骨折:骨に付着している筋肉や靭帯が強い力で引っ張られたときに生じます。
- 圧迫骨折:骨が強い力で押しつぶされます。
- 解放骨折:折れてしまった骨が皮膚を突き破って外に飛び出した状態。
- 成長板骨折:未成熟の犬が成長期に発症するものです。
一言で「骨折」といってもこれだけの種類があります。
同じように、骨折が起こる原因も一つではありません。
~骨折の原因~
- 交通事故
- 高い場所からの落下
- 衝突
- 他の犬とのけんか
- 栄養不良や疾病による骨密度の低下
- 骨の腫瘍
- 過度な運動
- 肥満
特に上4つの原因は、小型犬が衝撃を受けやすいものです。この原因から、普段の愛犬の生活環境を見直してみるのも良いでしょう。
1-3.尻尾が骨折した時の症状と処置の方法
実際に犬が尻尾の骨を骨折した場合、どのような症状が現れるのでしょうか。代表的なものをいくつか紹介します。
- 患部が変形する
- 歩き方が左右非対称になる
- 急に運動をしなくなる
- 排泄をコントロールできなくなる(いつもしないような場所で失敗してしまう等)
どれも尻尾が骨折したことで動きが悪くなり、普段の生活に支障をきたしていると言える状況です。愛犬の様子がいつもと違って、しかも骨折の原因に心当たりがある場合はすぐに対処してあげましょう。
1-4.対処方法は?
では、こういったトラブルが起こった際にはどんな対処法が良いのでしょうか?
一番大切なのは動物病院に連れていき、獣医師の先生に診てもらうことです。治療法はその犬の骨折の種類とその犬の年齢や性別、性格や種類、持病などによって異なるため、きちんと診断してもらうことが大切です。
しかし、どんな骨折でも治療の基本は「患部の固定」です。
骨折した犬は、場合によってはその痛みが原因で、いつもでは考えられないほど攻撃的になっており、患部を触ろうとすると飼い主にかみついてくる犬もいます。そんな場合はなるべく患部が動かないように気を付けながらすぐに動物病院に連れていくことが必要です。もし愛犬が飼い主に患部を触らせる余裕がある場合は、応急処置をしてから動物病院に連れていくことをおすすめします。
板やボール紙に綿を巻いた簡易な副木を、骨折部に最も近い関節にあて、きつくない程度に固定します。強く固定しすぎると流血を留めてしまうことがあるので注意が必要です。このように応急処置をしてから動物病院にいくことで、愛犬の症状が悪化することを防ぐことができます。
1-5.まとめ
愛犬を一番側で守ってあげられるのは飼い主だけです。
愛犬の応急処置について勉強しておくことは、決して無駄ではないと思います。この記事を通して、少しでも理解が深まれば幸いです。