目次
1.犬の膿皮症の対応策
1-1.犬の膿皮症
犬の皮膚病の中で一番多いのが膿皮症で病原菌によって引き起こされる皮膚病の1つです。
ブドウ球菌は皮膚に常在している菌ですが、何らかの要因で細菌が増えすぎてしまった時に簡単に膿皮症を発症してしまいます。膿皮症といっても様々要因からなります。まずは愛犬の膿皮症の原因や特性を確認しましょう。
【表面性膿皮症(表皮の最上部にある角質層に発生)】
・化膿外傷性皮膚炎
角質層の表面が掻きむしりなどによって傷が化膿した状態。ノミアレルギーや毛づくろい不足による被毛内の換気の悪さなどから起こります。
・皮膚皺襞膿皮症(ひふしゅうへきのうひしょう)
皮膚のしわの間が化膿した状態。白く脂っぽい体液が出ます。
【表在性膿皮症(毛包とその周辺の皮膚に発生)】
・膿痂疹(のうかしん)
膿を含んだ黄色いかさぶたが出来た状態。子犬の腹部に発症する事が多いです。
・表層性細菌性毛包炎
毛包内で細菌が繁殖し炎症し化膿。一番多い膿皮症です。
・表層性拡散性膿皮症
毛包に生じ炎症が徐々に大きくなる状態。膿の塊である膿疱や紅班が背中に多いのが特徴です。
・皮膚粘膜膿皮症
皮膚の粘膜(唇、肛門、外陰部など)に発症。
【深在性膿皮症(毛包全体、真皮、皮下に発生)】
・深層性毛包炎
毛包全体から真皮まで炎症。痒みを通り越し痛みが伴います。
・せつ腫症
毛包が破壊されて真皮成分が流出。下あごや指の間、肉球などに出る事が多いです。
・特発性膿皮症(ジャーマンシェパード膿皮症)
潰瘍を伴う原因不明の膿皮症。5歳を超えて発症が多く背中、そけい部、太ももなどに見られます。
1-2.犬の膿皮症の対応策
まずは膿皮症は自然治癒する事は少ないために病院に行って薬を貰う事が先決です。そして、合わせて家庭で出来る対応策を行いましょう。
1)適度なトリミングとブラッシング
トリミングで毛を短くする事は被毛の換気を促すために必要です。毛の短い子も抜け変えの時期には死毛が皮膚に絡みつくので皮膚に良くありません。ブラッシングして換気を促しましょう。
2)ノミやダニの駆除
ノミやダニの駆除剤を使用する以外に、定期的にシャンプーをする事で皮膚のかゆみや虫の繁殖を抑える事が出来ます。シャンプーは死毛の除去にもなりますが、やりすぎは表皮の皮脂がなくなり防水性が低下したり、反対に皮膚炎になる可能性があります。月に1.2度程度がちょうどいいです。
3)ストレス
ストレスは皮膚の健康には良くないですが、犬はストレスが溜まると体を舐め続けたり、掻いたりします。犬のストレスになりうる環境の改善も必要です。
4)体質改善
皮膚を強くするために体質改善も1つです。添加物の少ない健康のことを考えた食事にしてあげましょう。何の原料を使っているか分からないフードはやめて、人間でも食べれるくらいのものを選びましょう。きちんとした生肉を加工した添加物の少ないものが、犬の体質改善のためのフードに最適です。
1-3.膿皮症時におすすめのフード選びは?
皮膚トラブルは免疫力と大きな関係があります。食の乱れは、免疫力の乱れ(低下)に直結します。そのため、偏りのないバランスのとれた食事をすることで、皮膚も強くなります。また、ワンちゃんの体に負担をかける食事も厳禁です。上述したように添加物はワンちゃんの体に大きな影響をあたえますので、ホームセンターなどでもよく見るような、添加物たっぷりのドッグフードなどは完全にNGです。そのため、バランスのとれた食生活で、且つ添加物の無い、無添加のドッグフードを選んでいくことが大切です。
(【参考】→ 初めての無添加ドッグフード。選び方と重要性をまとめました。)
1-4.まとめ
愛犬の膿皮症は1度なってしまうとなかなか治りません。日ごろから健康チェックを兼ねてコミュニケーションをとり、出来る限り膿皮症を防ぐ生活を送らせてあげましょう。