1.愛犬が脳梗塞に!回復することはあるのでしょうか?
「脳梗塞」と聞くと人間の病かと思いますよね。でも、実は犬でも脳梗塞になってしまうことはあるのです。犬の脳梗塞も人間同様、脳の血管が破裂してしまい、血栓が動脈に詰まってしまう事で発症されます。
1-1.犬の脳梗塞の原因は?
脳のあらゆる場所で発症します。実は犬の脳梗塞の原因に関しては大学の獣医学部の研究でもまだはっきりとはわかっていないとされています。しかしながら、脳梗塞を発症したワンちゃんを調べた結果、甲状腺機能低下症、高齢、心臓病、脱水症状、副腎皮質機能亢進症など併発している犬に脳梗塞が発症したケースが多く見られたそうです。人間同様、食生活や生活スタイルが脳梗塞を発症する原因でもあると考えられています。
脳梗塞の主な症状
- 麻痺(体、嗅覚)
- 気分の落ち込み
- 筋肉の衰え
- 黒目がユラユラと眼振がある
- 首の傾き
- 錯乱
- 昏睡状態
- 歩行異常
- 回転(ぐるぐる回ってしまう)
などがあげられます。犬の場合は人間と違い言葉を話すことができませんので、言語障害や手足に関するしびれはほとんど認識できないのが現状です。愛犬の様子を見て、いつもと明らかに違う様子が見られる場合はすぐに動物病院へ行って診察を受けてください。
脳梗塞の治療法
動物病院に犬を連れて行き、獣医さんの問診を受けてから、CTスキャン、もしくはMRI画像診断で現在の犬の様子を診断していきます。脳梗塞とそこで診断されると治療が始まるわけですが、脳梗塞の治療法に関しては人間とは少し違いがあります。人間の場合は脳梗塞の発症後3時間以内であれば、血栓溶解療法で症状を改善していきますが、犬の場合は人間の様に症状を話すことができないので、どうしても発症してからの時間が大幅に経過してしまうことがあり、対処療法になることが多いです。
- 脳のダメージを予防するために、薬剤を投与して経過を見ていきます。
- 循環する血液の量を改善するために輸液療法を行います
- 脳圧をコントロールするために薬剤を投与していきます。
- 脳に行く酸素が少なくならないように酸素吸入をして脳に行く酸素量を調節していきます。
1-2.犬の脳梗塞は回復するのでしょうか?
脳梗塞の程度、また脳の壊死の状態にもよりますが、早期発見ができて、初期の治療の対応が適切な場合は2-3週間で症状が改善してくるといわれています。しかしながらわんちゃんの個体差がありますので、改善の仕方も変わってきます。脳の損傷が大きい場合は、人間同様、欠損してしまった所を再生できない場合もあるので、予後は獣医のもと、要観察となってきます。
1-3.おわりに
犬の脳梗塞については、人間とは違ってまだまだ臨床的に数が多くないのでしっかりとした原因究明が今後大学病院でどんどんされていく事でしょう。日々の生活スタイルや食生活も関係しているともいわれている脳梗塞。とくに肥満気味のわんちゃんは脳梗塞を引き起こす確率も上がるといわれています。日々の健康管理と愛犬の観察は飼い主さんの大切なお仕事です。ぜひ愛犬が少しでも「おかしいな?」と思う事がありましたらすぐに動物病院で受診してください。早期発見、早期治療で症状回復、症状緩和ができます。わんちゃんが1日も長く健やかでいられますように。